にきびとは
にきびとは、思春期から青年期にかけて、顔面・背部・前胸部などの皮脂の分泌が多い部分の、毛穴に一致して生じる炎症性の発疹です。尋常性ざ瘡とも言われます。
にきびのできる原因
にきびのできる原因は、毛穴の詰まりや皮脂分泌の増加、アクネ菌の増殖といわれています。皮脂腺の発達により皮脂過多になったり、毛穴の皮脂の排出口が詰まることによって、皮脂が排出できずにたまってしまうと、にきびを生じます。にきびの始まりの毛穴の詰まった状態をコメド（白にきびや黒にきび）といいます。コメドの内側は、アクネ菌の育つ環境に向いているため、コメド内で菌は増殖します。増殖した菌に対して免疫が働いて、炎症を生じるため、にきびが生じます。
コメドとは
コメドとは、にきびの始まりの毛穴の詰まった状態です。白にきび、面ぽうといわれることもあります。コメドは、肌がざらざらしたような手触りであり、目立たないからと放置しておくと、炎症を生じた赤いにきびや化膿した色いにきびに移行することもあります。にきび痕にならないためにも、正しい処置を行いましょう。
にきびの経過
白にきび・黒にきびとは
白にきびとは、皮脂が毛穴に詰まった状態で小さな白い点です。小さいため、見つかりにくいかもしれません。皮膚の内部では、アクネ菌の増殖と毛包の広がりが生じます。黒にきびとは、白ニキビの毛穴が開いて、酸化した皮脂がのぞいている状態を指します。
赤にきび・黄色
赤にきびは、コメドが悪化して炎症を生じた状態です。毛包でアクネ菌が増殖し、炎症を起こす物質が生成されます。さらに悪化して先端に膿がたまると黄色く見えることもあります。内部では、アクネ菌が生成した酵素のリパーゼが毛包の壁を破壊し、炎症を生じる物質が毛包の外側に広がるため、広範囲の炎症を起こします。重度になると、にきび痕が出来る可能性もあります。
にきびの治療法
① スキンケア
まずは適切なスキンケアが重要です。にきびができやすい肌の方が一生懸命保湿をすると、さらに毛穴を詰まらせて悪化させてしまうこともあります。薬を使ってにきびが治っても、スキンケアの仕方によってはまた再発してしまうため、適切な方法をお伝えします。
② 薬物治療
赤く炎症を起こしたにきびや膿を持つにきびに対しては、抗生物質の外用剤や配合薬を使用して治療を行います。抗生物質の内服を併用することもあります。赤く炎症を起こしたにきびが改善された後には、抗生物質の塗り薬や飲み薬をやめていき、過酸化ベンゾイルやアダパレン等を使用して、再発の予防を行っていきます。アダパレンは、毛穴の詰まりに効果的です。過酸化ベンゾイルは、毛穴の詰まりやアクネ菌に効果的です。また、抗生物質はアクネ菌に有効とされています。
にきび治療のガイドラインで推奨されている薬剤は、過酸化ベンゾイル、アダパレン、過酸化ベンゾイルとアダパレン配合薬、過酸化ベンゾイルと抗生物質の１つであるクリンダマイシンの配合薬、抗生物質の塗り薬や飲み薬になります。
③その他
当院では面皰圧出といわれる面皰（白ニキビ）を針で穴を開けて押し出す処置にも対応しています。また、ケミカルピーリングやレーザーフェイシャル、にきび痕の赤みに対するレーザー治療等の自費治療も行っています。
治療を受ける上での
ポイント
ポイント1 皮膚科に相談してみましょう
にきびの悩みは、個人によって異なります。にきびに関連した市販の商品は、簡単に使うことができますが、一人ひとりに応じたにきびに適切なケアを行うことは難しいのが現状です。皮膚科であれば、専門医によるこれまでの経験から患者様の状態に合った治療を行えます。にきび痕を作らず肌を綺麗に保っていくためにも、当院までお気軽にご相談ください。
ポイント2 継続して治療を受けましょう
にきびの悩みは、個人によって異なります。にきびに関連した市販の商品は、簡単に使うことができますが、一人ひとにきびは慢性疾患のため、途中で諦めないで、継続して治療を受けられることが大切です。通院しやすい病院で治療を受けられることを推奨しています。
ノンコメドジェニック製品とは
スキンケア製品や化粧品には、ノンコメドジェニックといわれるものがあります。肌に製品を付着させた状態で、にきびの始まりのコメド（毛穴が皮脂で詰まった状態）ができるかの試験を行って、一定の基準を合格した製品です。これらの製品には、にきびを悪化させるアクネ菌の増殖につながりにくい成分を含んでいます。当院では、ノンコメドジェニック製品やピーリング石鹸を取り扱っています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
