ぼやけて見える・
かすんで見える とは
目がかすむのは、疲労や目の酷使などによって起こりやすい症状ですが、深刻な眼科疾患の初期症状として生じている可能性もあります。休息や十分な睡眠をとっても目のかすみが改善されない場合は日常生活に大きな支障を及ぼすことがありますので、早めに眼科を受診することをお勧めします。
こんな症状はありませんか
- 視野全体がかすんで見える
- ピントが合いづらい
- 視力の低下を感じる
- 目がかすむ
- 視界がぼやける
- 日光や夜間の照明が今までよりまぶしく感じる
など
ぼやけて見える・
かすんで見える症状を
起こす病気
白内障
白内障とは加齢を原因として発症します。80代になると、ほぼ100%の人が発症すると言われています。目の中でレンズのような役割を果たしている透明な水晶体が濁り、視力低下に繋がります。白内障の手術を受ける方は毎年100万人を超えています。白内障は、視力の低下、光がまぶしく感じる、物や文字が二重にみる、暗い場所で視力が落ちたように感じるなど様々な症状が現れます。
急性緑内障発作
隅角が狭くなり、房水の出口が塞がり、眼内で水がどんどん溜まっていく状態を急性緑内障発作といいます。正常な眼圧が10~20mmHgですが、30~50mmHgまで急激に上昇します。眼圧の急上昇とともに突然起こる強い眼痛や頭痛、吐き気、かすみ目などが生じます。処置が遅れてしまうと失明に至る可能性があります。脳出血と症状が似ているため、脳外科に救急搬送されることがあり治療が遅れることもあります。治療としては、眼圧を下げる点滴や点眼薬の使用、レーザー治療または手術となります。
糖尿病網膜症
網膜には毛細血管が広がっており、それらの血管が神経細胞に酸素や栄養を配っています。糖尿病で血糖のコントロールが悪い状態が続くと、細い血管が特に悪くなり、問題が起こります。糖尿病で血糖のコントロールができず悪い状態が長引くと糖尿病網膜症を発症します。自覚症状がなく進行し、網膜の血管が閉塞して破れ、出血して視力低下を起こし、更に進行すると網膜剥離や失明に繋がる危険性があります。実際に糖尿病網膜症は日本において失明の3番目に多い疾患とされています。糖尿病と診断されたら定期的に眼科を受診し、血糖のコントロールを行っていくことが大切です。
受診の目安
目のかすみが続く、視野全体や一部がもやがかったように見える、ピントが合わない、ピント合わせに時間がかかるなどの症状がある場合にはできるだけ早く眼科の受診が必要になります。緑内障や加齢黄斑変性、網膜色素変性症、ブドウ膜炎などの眼の疾患でも目のかすみは生じます。検査をして原因を特定することが重要になります。
生活習慣との関連について
視界がぼやける、かすむのは疲れなどによって日常的に起こるものです。しかし、中には失明や命に関わる病気が原因になっていることもあります。目を休ませても思うような回復がない場合や、痛みや吐き気、めまい、頭痛などがある場合には早めに眼科を受診しましょう。
老眼
加齢により、目のピント調節を行う筋肉が上手く調整できなくなることがあります。老眼になると、近くが見づらく、視界がぼやけるなどの症状を生じます。無理し続けることで、ピントを合わせる筋肉に余計な負担がかかり、眼精疲労や慢性的な肩こりなどを生じます。眉間にしわができ、老けたような印象を与えることもあります。一般的に40歳を過ぎると老眼が始まるとされていますので、定期的な眼科検診とともに、早期に老眼鏡をつくり、目の負担を軽減することが重要です。
眼鏡やコンタクトの度数が
合っていない
目に合わない眼鏡やコンタクトレンズを長期間使用していると、無理にピントを合わせるために目や周辺の筋肉に大きな負担をかけます。老眼が進んでしまってから遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズを使用し始めると視界がゆがみ、ピントが合わせづらくなったりします。視界がぼやける、目がかすむなどの症状がある場合には、眼科を受診して視力検査を受け、眼鏡やコンタクトレンズがご自身に合っているかを確認することが大切です。近視・乱視・老眼はいずれもいつの間にか進行していることが多いです。老眼かと思ったらまずはご相談ください。
ドライアイ
ドライアイとは慢性的な眼の不快感を引き起こす主な要因であり、失明に繋がることはないものの、生活の質を長期間損なう病気です。コンタクトレンズの装用や長時間のコンピューター作業など、ドライアイを悪化させるものは様々です。近年では、テレワークの普及に伴い、モニターを直視する時間が増えていることもドライアイ増加の要因となっています。
目が乾く、目がゴロゴロする、目が開けにくい、目が疲れる、なんとなく見えづらい、目が赤い、物がかすんで見える、涙が出るといった症状がありましたら、ご相談ください。
疲れ目
目が疲れる、目が痛いといった症状は誰でも日常において経験することになります。たいていはしばらくすると症状が消えるものですが、症状がしばらく続いて時には頭痛や肩こりを生じることがあります。また、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを長時間使用することによって眼精疲労に加えてドライアイや睡眠障害が起こることもあります。対策としてパソコン作業中はこまめに休憩して目を休ませる、軽い運動をする、室内の湿度の管理、照明の調節、寝不足にならないように心がけましょう。