水虫の原因
水虫は真菌の一種である白癬菌(はくせんきん)が皮膚に感染して発症します。適切な治療を行えば治る病気ですが、放置することによって皮膚だけでなく、爪にも侵入して爪が厚くなったり、色が白く濁った状態になる爪水虫(爪白癬)を発症することもあります。また白癬菌は足に留まらず手の皮膚(手白癬)や、股(股部白癬)、体(体部白癬)、頭(頭部白癬)にも感染することがあります。
日常生活において
水虫になりやすい環境が
ないかチェックしましょう
- 足を清潔にできていない
- 長時間同じ靴を履き、足の蒸れた状態が続く
- 足の指と指がくっついて湿りやすく、先の細い靴をよく履く
- 糖尿病や免疫不全などの持病があり、感染症にかかりやすい
水虫の種類
水虫は、大きく分けて3種類のタイプがあり、「趾間型」「小水疱型」「角質増殖型」があります。足の水虫から「爪水虫(爪白癬)」となることも多く、爪に白癬菌が侵入すると完治するまで更に時間がかかります。これらを防止するためにも症状を確認したら早めにご相談ください。
指間型
足の指の間に見られるもので、水虫の中で最も多く見られます。症状としては、白くふやけてジクジクしたり、趾間の皮がむけることがあります。かゆみを伴い、びらんとなることもあります。びらんから細菌の二次感染を生じて蜂窩織炎となることもあります。特に糖尿病がある方は注意が必要です。
小水泡型
小水疱型は痒みが強く、足の裏や側面に小さな水疱ができることが特徴です。小さな水疱が増えて水疱同士がくっついて破れ、次第に皮剥けが生じます。梅雨の時期に起こりやすく、秋には軽快することもあります。湿疹と間違えやすい病型です。
角質増殖型
このタイプは趾間でなく、主に足の裏に生じます。症状は足の裏やかかとがガサガサと乾燥して皮膚の角質が厚くなり、時々ひび割れを伴います。痒みを伴わないため、皮膚の乾燥と勘違いして受診が遅れる場合があります。外用薬が効きにくく、内服薬が必要となることもあります。乾燥した角質ははがれやすく、裸足でいると床やスリッパについた白癬菌が他の人に移る可能性もあります。
爪水虫(爪白癬)
爪水虫(爪白癬)とは、真菌の一種である白癬菌が爪に感染することで起こる病気です。足の水虫を治療せずに放置してしまうと、白癬菌が爪に移り、一旦白癬菌が爪に入り込むと完治までに長い時間を要します。
爪水虫の症状
- 爪がもろくなり、ボロボロになる
- 爪が分厚くなる
- 爪の先が黄色に濁る
- 爪の表面に白い濁りがある
- 爪の変形が見られる など
水虫の診断
水虫の診断をする際には、患部から皮膚や爪を一部採取し、顕微鏡で観察し白癬菌がいるかどうかを調べます。(検査の際の痛みはほとんどありません。) 既に市販の水虫薬を塗っている場合には正しい結果が出ない場合があるため、検査を受ける前は何も塗らない状態でのご来院をお勧めします。
水虫の治療方法
塗り薬
水虫には、抗真菌薬の塗り薬(外用薬)を使用します。外用薬には様々な種類があり、クリームタイプ、軟膏、ローションなどがあり、水虫の特徴に合わせて薬を使い分けます。外用薬を塗るタイミングとしては、入浴後が効果的とされています。水虫の薬を患部に塗布した場合、かぶれることもありますので、定期的に受診し、適切な治療ができているか確認しましょう。
飲み薬
爪水虫に対しては、塗り薬以外に内服薬で治療を行うことがあります。ただし、内服薬で治療を行うと肝機能障害などの重篤な副作用を起こす可能性があるため、定期的に血液検査を行って肝機能の数値の確認を行いましょう。
水虫の予防方法
足は石鹸で丁寧に洗う
毎日の入浴で、足の指の間を洗いましょう。石鹸の泡で優しく洗うことを心がけます。洗った後は、十分にすすぎ、蒸れないように乾燥させることが大切です。
足はできるだけ乾燥させる
ジメジメして菌の繁殖が起きやすいところは白癬菌が好む環境です。汗をかいたときは乾燥させ、吸湿性の高い靴下を選び、靴は同じ靴ばかり履かないように心がけましょう。
靴の中を乾燥させる
通気性の悪い靴を長時間履き続けることで、靴の中が蒸れてしまい、菌の繁殖に繋がります。これを避けるため、通気性のよい履物に履き替えるなど靴の中で菌が繁殖しないように心がけましょう。また、天気の良い日には靴を干して乾燥させることが大切です。
足ふきマットやスリッパの
共有は避けましょう
高温多湿になる風呂場に置いてある足ふきマットやスリッパは、白癬菌が繁殖しやすい環境といえます。共有することで、水虫の白癬菌を移す可能性があるため、共有しないようにしましょう。温泉施設や銭湯、スポーツジムなどでたくさんの方が利用する施設でも白癬菌は足に付着しやすくなるため、注意が必要です。
家族にも水虫の方が
いる場合には
全員治療しましょう
水虫は、家族一人が治っても、他の人全員が完治しないと再び蔓延させる原因となります。家族それぞれがきちんと検査し、感染していた場合にはしっかりと治療をして治しましょう。
掃除はこまめに
足の皮膚から剥がれた皮膚を他の人が踏んでしまうことで、水虫を蔓延させてしまいます。家の床やカーペット、畳はこまめに掃除することを心がけ、清潔にしておくことが大切です。足ふきマットもこまめに洗濯し、しっかり乾燥させるようにしましょう。
水虫Q&A
市販の水虫薬を塗っていますが、治りません。
市販薬を塗っても治らない場合に考えられることは、水虫ではない可能性や、市販薬が合わない可能性も考えられます。足に出る皮膚の病気には、水虫とよく似たものもあります。水虫の診断には顕微鏡検査などの検査が必要となります。自己判断せずにお気軽にご相談ください。
水虫は治りますか?
現在ある水虫の薬は、以前のものに比べ効果が期待できるものが多くなってきております。しかし、自己判断で治療を途中で中止すると白癬菌は消失せずに残っている可能性があり、再発の危険があります。治療をやめるタイミングに関しては、医師と相談して決めるようにしましょう。また、家族内で水虫の方が他にもいる場合には、一度治っても再度感染する可能性があります。同居している人は一緒に治療して治すようにしましょう。
爪水虫の予防法はありますか?
足をよく石鹸で洗って清潔すること、乾燥させることが大切です。その他に通気性のよい素材の靴下や靴を選び、蒸れないように乾燥させることを心がけましょう。
水虫を家族にうつさないためには?
タオルや足ふきマットの共用を避け、早めに治療をしましょう。