硝子体注射について
当院では、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などに対して、抗VEGF抗体の硝子体注射を行っています。目の中心部にある黄斑に障害が起きると、文字が見えなくなるなど視機能において重大な欠陥が生じてしまうため、適切な治療を行うことが重要になります。
黄斑にある数多くの毛細血管は、血糖の高い状態が続いたり、動脈硬化が進むことで流れが悪く、新生血管というもろい血管を生み出してしまいます。
硝子体注射で使用される抗VEGF抗体は、この新生血管の増殖を防ぐ効果が期待されている薬剤となります。
治療薬について
アイリーア
アイリーアは加齢黄斑変性、糖尿病網膜症による黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫、強度近視による脈絡膜血管新生の治療に使用します。承認されている抗VEGF薬の中で最も効果が強く、脈絡膜新生血管の成長を活性化させる物質の働きを抑える薬です。注射は病状が治まるまで毎月連続で継続し、その後は病状によって追加で注射していきます。注射自体は約1分で終了します。
硝子体注射の流れ
1診療
診察を受けて精密検査を行います。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、黄斑浮腫などがあり、硝子体注射が必要と判断され、治療に納得いただけたら治療の予約をします。
2ご来院の際の注意
予約時間に遅れずご来院ください。注射の前に目の周りの消毒をしますので、化粧などはせずにご来院ください。また、瞳孔を広げる点眼薬を使用しますので、車やバイク、自転車の運転はできませんのでお気を付けください。
3当日の施術
点眼麻酔や散瞳薬を点眼した後、40分お待ちいただきます。その後手術室に目の周りと眼球を消毒します。硝子体注射自体の治療時間は1分程度になります。注射が終わりましたら外来検査をして終了になります。なお、点眼麻酔は15分程度効果が持続しますので、注射による痛みはほとんどありません。注射後はもやがかかったように見えることがありますが自然と治りますので心配いりません。
4翌日
治療の翌日に網膜剥離や感染症を起こしていないか確認のため、ご来院いただきます。なお、治療後当日から3日間、感染予防のために点眼薬を付けていただきます。
5定期検診
眼底の状態を毎月確認し、再度注射が必要な状態にないかを判断します。継続して硝子体注射が必要な場合は1~6か月に1回のペースで再注射を行います。場合によっては複数回注射しないと効果が持続しない場合があります。
硝子体注射に関する注意
硝子体注射後の細菌の侵入を防いで感染を予防するため、患者様にはいくつかの注意事項があります。
入浴や洗顔
硝子体注射の当日の入浴や洗顔は雑菌の侵入を防ぐために控えていただきます。首から下はシャワーが可能です。顔に水がかからないようにご注意ください。
メイク
雑菌の侵入を防ぐためにも、治療当日の化粧は控えてください。
運転
注射後は見えにくいので、自動車やバイク、自転車の運転はできません。
日常生活
しばらく入浴や洗顔ができませんが、その他は普段通り過ごしていただいて問題ありません。
点眼
治療の翌日より3日間、1日5~6回、雑菌の侵入を防ぐために点眼薬を付けていただきます。